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序章.光武帝についての予備知識(一応、本の序章を考えてみた。)

序章.光武帝についての予備知識

正義のスーパーヒーローは実在した!?
 ところでこの本は少し唐突な話題で始めようと思う。読者に質問だ。映画やアニメに描かれる正義のヒーローとはどんな人物だろうか?
 まずあまり強そうではいけない(1)。日常は気さくな人物であり(2)、周囲の人たちに親しまれていても決して怖がられたりしておらず、むしろ軽んじられている(3)。しかしいったん事件が発生すると突如その真の能力を発揮して(4)、敵を倒すのである。
 見た目は強そうではないが、よく見ると二枚目(5)でなければならない。イケメン俳優が演じるのだから当然である。もちろん戦うときの様子はとても格好良くて(6)、見ている子どもたちが真似したくなるほどでなければならない。
 格好いいのは見た目だけでなく、セリフも決まっていなければならない。後の時代にも生き続ける決め台詞をたくさん残さねばならない(7)。
 敵を倒すのだから、当然強くなければならない。人間離れした戦闘力を持つ(8)無敵のヒーローである。
 また日頃から戦ってばかりで好戦的ではいけない。むしろ他の人たちが苦戦しているところに現れて味方を救出し(9)、敵を打ち倒すのだ。ここ一番本当の強敵と戦うときは、自らの手で戦い(10)ケリをつけねばならない。美味しいところを見事にかっさらっていくのがヒーローである。
 時には強敵と戦い苦戦するが、そんな時も不敵にジョークの一つ二つ言って切り抜けなければならない(11)。戦いに泣き言は禁物だ。
 だがヒーローは戦わなければならない宿命を背負っていた(12)。望まぬ戦いの人生を送らねばならないのは逃れ得ぬ運命なのだ。
 しかし強いのは戦うときだけでなければならない。日常、特に女性や子どもたちにはむしろ弱くなければならない(13)。
 ヒーローには当然、誰もが羨むような美人のヒロインがいなければならない(14)。そのヒロインは心優しく芯の強い女性であり(15)、時にヒーローに逆らい振り回したりする(16)。男女関係では多少情けないぐらいのヒーローがよい。ヒロインとは、生涯にわたって相思相愛でなければならない(17)が、ヒーロー自身はあまり女性にモテモテであってはいけない(18)。子どもにも見せたいヒーローモノの主人公は、不自然なことだが女性にモテてはいけないのだ。
 性格は親しみやすいといっても、少しぐらいは心に影がある方がよい(19)。その影を埋めてくれる人こそヒロインだからである。
 社会背景もまた一見平和に見える時代であり、その裏が腐敗しているのがよい(20)。最初から混乱した時代では、意外性がなくつまらないものだ。
 日常は目立たず平凡に暮らしているであるから、名前も目立たない平凡な名前である(21)。ヒロインの名前もシンプルなのがよろしい(22)。ただしわかりやすいように性格や容貌をそのまま表現した名前でなければならない。(23)
 そしてヒーローの活躍によりたくさんの人命が救われ、守られなければならない。ここでは少し少な目に、一千万人以上の人命を救えばヒーローと呼んでよいこととしよう(24)。そしてどんな凄いことをしてもヒーローは威張ったり自慢したりしないし(25)、他の人たちも何もなかったかのように親しげに話しかけるのだ(26)。本能的に偉そうな奴が嫌いで、人の上に立つことを好まない平等思想の持ち主(27)こそヒーローに相応しい。
 そして戦いに勝利して世界に平和をもたらし、本人もヒロインと抱き合ってハッピーエンド(28)で終わるのだ。
 実にご都合主義の設定である。この条件を半分も満たすことのできる人物はいないだろう。実在が不可能な夢物語の設定である。
 ところがそうではなかった。この空想上の無理難題な条件(1)~(28)を一つ残らずすべてクリアーした人間がいたのだ。そう、それがこの本の主人公である光武帝こと劉秀なのである!!
 
光武帝を理想とした偉人たち
 これほど驚異的な人物であれば、当然高く評価する人たちがたくさんいる。
 まずは『三国志』の英雄たちである。
 この本を手に取った人には、同じ中国史モノとしてかなりの数の『三国志』マニアがいるはずだ。その『三国志』の英雄たちの心の中のアイドルこそ光武帝なのである。
 『三国志』の英雄たちはみな光武帝の真似をすれば天下を取れると考えていた。
 劉虞は光武帝に似ているという理由で皇帝に擁立されそうになったし、袁紹が河北から統一を目指したのは光武帝を真似たものだし、曹操が敵の文書を読まずに焼き捨てたのも光武帝の真似である。孫権は呂蒙に光武帝みたいに戦場でも本を読めといい、魯粛との関係を光武帝と禹の関係と比較したりした。
 孫策はいつも光武帝とその家臣があの若さで戦場で活躍したことに憧れていた。
 そもそも漢の復興を考える諸葛孔明が次に戦場になるのが確実な南陽などに隠棲したのは、光武帝の故郷だからである。
 さらに孔明と曹植は光武帝と家臣の論評を手紙でやりとりした。そこでは光武帝の二十八将などの家臣が有能かどうかが議題になったが、光武帝が凄いということについては疑問の余地もなく一致していた。
 『三国志』の研究者である満田剛氏は、袁紹、袁術、曹操、劉備、劉虞はみな光武帝を意識していたとしている。
 『三国志』は後漢末に始まる物語である。その時代の人々にとって人類史上最高の英雄とは後漢を建国した光武帝に他ならないのである。
 もちろんまだまだいる。
 特に有能で歴史を詳しく知る人物こそ光武帝を高く評価する。
 一人はまず司馬光である。司馬光とは北宋の時代に『資治通鑑』という歴史書を編纂した人物であり、『史記』を編纂した司馬遷と並ぶ二大歴史家である。
 司馬光はその著書で後漢論を書いている。後漢はおよそ二百年で滅ぶのだが、その後半は皇帝不在の無政府状態だった。ところがいつまでも滅びずに続いたのは光武帝の力だというのだ。光武帝があまりに凄かったためにその王朝を倒すのを誰もが嫌がったのである。そこで司馬光は、光武帝を伝説時代の聖王に匹敵する存在とした。二百年近く後の国家の盛衰まで左右したというのだから驚きである。
 二人目には岳飛を挙げよう。
 岳飛は南宋の名将であり、中国史上最高の名将と考えられている人物である。岳飛は、皇帝に親征して自ら北方の金と戦うように進言しているのだが、そのときに名前を挙げるのが光武帝なのである。戦場で戦う皇帝と言えば、真っ先に思い浮かぶのが光武帝というわけなのだ。
 三人目に中国史上最高の名君と考えられている唐の太宗李世民を挙げよう。
 李世民はその用兵において光武帝と類似した戦法を用いて天下を統一した。家臣を表彰するときは、光武帝の二十八将を参考にした二十四人を選んで祭るようにしていた。一番の腹心である房玄齢をいつも光武帝の一番の腹心である禹と比較していた。
 四人目に北宋建国の太祖趙匡胤を挙げよう。
 趙匡胤は家臣への待遇について光武帝を参考にしていた。また心を開いて本心を隠さない性格であり、光武帝の故事である「赤心を推して人の腹中に置く」を実行していた。
 歴史に詳しく政治と戦場を実体験として知る者が必ず模範とした人物、それが光武帝である。
 
時代背景
 しかしおそらく、この本を手に取った読者の多くは、光武帝なんて聞いたことがないか、名前だけしか知らないだろうと思う。そこで本文の前にいつ頃の人かざっと紹介しておこう。
 光武帝は、姓は劉、名は秀。古代中国の後漢王朝の初代皇帝である。紀元前5年1月15日生まれ、西暦57年3月29日没。西洋ではちょうどイエス・キリストと同時代だが、キリストが生没年もはっきりしないのに対して、光武帝の生没年月日は同時代に記録された公式記録である。
 古代中国の紀元前2世紀から紀元後2世紀までは、漢王朝が四百年続いたとされる。しかし実はその間に新という王朝があった。わずか20年足らずで滅ぶ短い王朝である。
 この王莽の新王朝を挟んで、それ以前の漢王朝を前漢、その後を後漢と呼ぶ。ちなみに現代中国では、前漢を西漢と呼び、後漢を東漢と呼ぶ。これは首都の位置が違っているためである。前漢の首都長安は、後漢の首都洛陽より西にある。
 この新王朝の末期から後漢の初期にかけて数十年間は群雄割拠の乱世であり、たくさんの豪傑や将軍が天下を争った。『三国志』と同じような状況と思ってよい。その中の将軍の一人が光武帝こと劉秀であり、天下を統一して王朝を開いた。劉秀はその名前の通り前漢皇帝の劉氏の一族であるので、漢王朝の復興を名目とし、自らの王朝をそのまま漢とした。
 ちなみに日本との関係でいうと、日本の古代史の謎の一つ、倭奴国王印という金印を贈ったのが光武帝である。
 この本は光武帝について史実の記録を元に解説する本である。時代は王莽の新王朝が成立する前、前漢の末期から始まる……
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冗談で皇帝になった男 ― 中国五千年最強の皇帝・後漢光武帝の生涯

何とか完全に書き上げて、
どこかの出版社に持ち込もうと思います。
分量は200ページ前後になります。
かなりいい感じだと思うんですが、欲しい出版社さんありませんか?
ちなみに日本最強の書評ブロガー小飼弾氏の予約がついています。
たぶん発売と同時に書評してくれると思います。

『冗談で皇帝になった男 ― 中国五千年最強の皇帝・後漢光武帝の生涯』
(帯)
 三国志の英雄たちが最高の君主として崇める後漢建国の光武帝劉秀。その姿を『後漢書』の記述から解き明かしていくと、そこに現れたのは超ハリウッド級のスーパーヒーローだった!
 
《目次案》
序章.表はお気楽学生・裏は侠客
 三国志の英雄はみんな光武帝マニア/倭へ金印/妻を娶らば陰麗華/尚書を学ぶ劣等生/出世するなら友達も一緒にね/商人と侠客の歴史/誰もが認める見かけ倒しの男・劉秀/皇帝なんて僕でもいいんじゃね?
     
1章.王莽の宗教帝国の崩壊
 聖人か偽君子か/儒教復古主義か古代の社会主義者か/匈奴と人間グライダー/高句麗なんて下句麗だ/中国初の人体解剖
 [コラム]漢代の学問の世界・儒家と道家
 
2章.百万vs.三千・昆陽の戦い
 反政府運動の拠点・南陽劉家/自称劉邦、兄劉縯の挙兵/緑林の豪傑たち/アル中皇帝・更始帝の即位/王莽、史上最大軍団を結集する/戦力差ギネス記録・昆陽の戦い/仲間割れと家族の死
 [コラム]騎兵と歩兵・漢代の戦争
 
3章.天下大分裂・更始帝と赤眉
 徐母の挙兵/赤眉の挙兵と合流/赤眉の名将董憲、更始将軍廉丹を討ち取る/更始帝、洛陽へ/九虎将軍全滅、王莽死す/牛飼い少年、くじ引きで皇帝を引き当てる/更始帝と赤眉の激闘
 [コラム]群雄割拠の勢力図
 
4章.河北に集結する二十八星宿
 占い師は皇帝の孫・王郎/疾風のみが勁草を知る/同級生禹の訪問/政略結婚/策士寇恂の登場/最強の突騎軍団の南下/内通者の手紙を焼き捨てる/敵を倒すのは朝飯前・猛将賈復/無敵の盗賊将軍馬武/赤心を以て腹中に置く・銅馬軍の降伏/光武帝即位
 [コラム]軍師禹・天下統一のシナリオライターは24歳
 
5章.戦う超人皇帝・中原統一への道
 流浪する赤眉軍の降伏/復讐の闘将奉、光武帝を引きずり出す/河南の皇帝劉永との決戦/中原震撼・敵中を駆け抜ける超人皇帝/韓信を超えた耿弇の張歩討伐/馬成の李憲討伐・完全戦法あり/赤眉の名将董憲散る
 [コラム]医の道へ転身した無敵の名将耿弇
 
6章.去り行く英雄たち・天下統一
 周の文王を目指した隗囂/馮異と空城の計/棺で凱旋した儒将軍・祭遵/隴を得て蜀を望む/向かうところ敵なし・名将岑彭/来歙と岑彭、暗殺さる/勇士延岑の決戦・死中に活を求む/大成皇帝公孫述死す
 [コラム]敵はすべて皆殺し・戦慄の猛将呉漢
 
7章.剣を捨てる・非戦平和主義へ
 名馬名剣は兵士に/匈奴の廬芳/辺境から移住・匈奴を経済封鎖/西域も関を閉じる/ベトナム徴姉妹の挙兵/名将馬援の激闘
 [コラム]空気が読めない名将馬援=アスペルガー症候群説
 
8章.民衆が最優先・孟子型民本主義政治
 循吏と酷吏/大規模センサスと内乱/民衆こそ最優先/奴隷解放と人権宣言/徴兵制の廃止/塩と鉄の専売廃止と自由化/学問の振興/リンカーンと比べる/現代に通じる第五水準のリーダー
 [コラム]謎の兵法書『三略』と光武帝
 
9章.家族愛と友情・超ハリウッド級ハッピーエンド
 二十八宿伝説/功臣との定期宴会/予言書大好き/城を抜け出す/姉ちゃんの婿を捜せ/ひねりのあり過ぎる会話集/郭聖通と陰麗華/泰山封禅
 [コラム]劉秀、陰麗華と七夕伝説の誕生
プロフィール

Author:akira080227
Darwinism Psychology
光武帝と建武二十八宿伝
新書中心主義
電脳書庫(affiliate 本棚)
感情の系統図&意識の回路図

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