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天上の剣客/東漢光武帝記・人物分析&設定5 陰麗華

 一般に陰麗華は光武帝の妻として内助の功もあった美貌の妻ということになる。
 しかし、こういう教科書的な描き方は面白くないし、またストーリーの構成上そういう描き方はできないのだ。
 陰麗華の登場は当然、劉秀との出会うことからである。すると13歳前後という少女時代から出演することになる。そのときから賢い子どもでは面白くないし不自然である。
 郭聖通との対比という観点からも、その女性的なムードが強調されることになろう。
 また記録からわかるように陰麗華は徹底して情の人である。喜怒哀楽のはっきりした信念の人でもある。彼女は劉秀というややユーモラスで冷静な人物とは異なる視点を世界に持ち込むことになる。
 また陰麗華は、人間の成長を描くにもうってつけである。13歳で登場して、その晩年もまた劉秀とともにいた。劉秀がその死の前年に泰山に登ったとき、陰麗華と禹は相変わらず側にいて行動を共にしていた。何とほぼ40年!である。この3人は40年近くもその変転の生涯を共にしたのである。その中で陰麗華の心の成長を考えるのがなかなか面白い。
 二人の危機は、婚姻直後の別れと再会である。
 陰麗華は、大富豪のお嬢様である。対して劉秀は貧乏な元皇族に過ぎず、立場は陰麗華の方が上だった。二人の会話では陰麗華がわがままを振りまいても問題がない。
 ところが、劉秀は陰麗華を置いて河北へ赴任する。陰麗華は事実上の人質として残されるのだ。さらに劉秀は郭聖通という女性を妻にしてしまう。さらにだめ押しするように劉秀は更始帝に反旗を翻し皇帝に即位し、実質的に陰麗華を見捨ててしまう形になる。
 運良く奉らの保護のおかげで陰麗華と劉秀は再会するが、陰麗華の気持ちはどうだったろうか?
 おそらく怒りで煮えくり返っていただろう。劉秀の行動は、陰麗華の視点から見れば裏切り以外何ものでもないからだ。陰麗華は当然、劉秀にその怒りをぶつけて良いと感じているが、周囲がそれを許さない。劉秀は皇帝に即位しており、劉秀と陰麗華の力関係は逆転してしまっているのだ。しかもその横には、田舎の富豪の娘に過ぎない自分とは異なる、皇族の血を引く本物の名門の大豪族の娘郭聖通がいる!
 おそらく再会からの数年、この二人の関係は冷え切っていたと考えてよいだろう。劉秀はそうした陰麗華の気持ちまでは理解できず、ただ今まで通りの愛情で接し、困り続けただろう。そしてその限界に近づいた頃に、第三の女性、許夫人との子どもまで出来ることになる。
 この二人がどのようにして和解するようになるのかを考えるのもなかなか興味深い。
 そして和解することで、二人は新たに成長することができるのだ。
 夫婦が長くその愛情を保つことができるのは、お互いが成長するからである。成長して変化することで新しい発見があるからだ。私としては、最初の頃は完全に劉秀の手の中でわがままを振りまいていただけの陰麗華が逆に本当の意味で支える力を持ち始め、良い意味で劉秀を動かすようにすらなるという場面を描けたら面白いと思う。
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